寒冷地エアコンは冬の暖房に効果があるのか?電気代は高いの?を徹底解説

寒冷地ではエアコンの普及率が低かったのですが、最近の夏は30℃を超える真夏日も多くなってきており、エアコンの普及が進んでいます。新規でエアコンを設置するなら冬場の暖房にも使えたら便利ですよね!

すでに夏のためにエアコンを設置している人は、冬もエアコンで暖房ができないかと悩んでいる方も多いと思います。エアコンで暖房するにしても電気代も気になるところ。

寒冷地エアコンのメリット・デメリットを解説していきます。

自己紹介

管理人:おすけぞー

  • 建築設備機器の専門商社勤務(2007年~)
  • 2級管工事施工管理技士
  • 専門分野
    空調機器:ダイキン工業

ダイキン製品の販売からサービス・改装・技術的な問い合わせに対応。

家庭用エアコン・業務用エアコン・エコキュート・セントラル空調製品までダイキン製品を取扱しています。

ダイキン製品が専門のため、解説はダイキン製品を中心に解説していきます。

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目次

寒冷地エアコンは簡単にいえば、暖房能力に優れ、室外機が雪・霜・凍結の対策が取られているエアコンになります。

寒冷地エアコンの特徴

  • 外気温度が低くても暖房能力が高い
  • 部屋が早く暖まる
  • -25℃でも運転が可能
  • 熱交換器が大きい
  • 室外機下部に電気ヒーターを搭載し、結露水凍結による破損を防止

暖房性能を発揮するため圧縮機の性能が高く、熱交換面積を増やすために室外機が大きめで、結露水が室外機下部で凍結しないようにドレンパンヒーターを搭載しています。

厳しい低温環境に耐えられるように制御基板をしっかりコーティングしてあるなど、寒冷地でも壊れないように対策がしてあります。

ダイキンの寒冷地エアコンは外気温度-7℃でも定格能力値以上の暖房能力が出せ、-15℃でもほとんどの機種で定格能力以上の暖房能力が出せるエアコンです。一般地向けのエアコンは-15℃になると暖房運転ができない機種がほとんどです。

寒くなればなるほど暖房に必要な能力が増えますので、自宅の断熱性能や構造によっては暖まりにくいことは当然ありますが、-10℃程度までであれば寒冷地エアコンだけで十分暖房可能です。

ただ-10℃を下回るような日・時間帯は、他の暖房器具との併用が必要だと感じる人が多くなってきます。

ダイキンの寒冷地エアコンは-25℃まで暖房運転は可能ですが、暖房効果を保証するものではないため、注意してください。

気象庁が発表している最低気温平均と月間最低気温は下記になります。

北海道札幌最低気温(平均)最低気温
2023年1月-7.4-13.2
2023年2月-6.6-10.5
2023年12月-3.7-8.2
青森県青森最低気温(平均)最低気温
2023年1月-3.5-9.9
2023年2月-2.9-8.9
2023年12月-0.6-5.0
山形県米沢最低気温(平均)最低気温
2023年1月-5.0-11.6
2023年2月-5.1-12.1
2023年12月-1.1-9.3
石川県金沢最低気温(平均)最低気温
2023年1月1.5-5.1
2023年2月1.6-2.1
2023年12月4.4-0.3
長野県松本最低気温(平均)最低気温
2023年1月-5.1-12.2
2023年2月-3.9-7.9
2023年12月-1.2-5.4

特に寒い日の朝方に-10℃以下になることもありますが、最低気温平均は-10℃を下回ることはなく、寒冷地エアコンのみで暖房が可能な日がほとんどです。

ダイキン工業の寒冷地エアコンの研究施設は北海道の旭川にあります。

北海道旭川最低気温(平均)最低気温
2023年1月-12.9-24.1
2023年2月-12.2-22.1
2023年12月-7.5-16.3

旭川の厳しい環境下でも暖房が可能であり、耐久性も問題ないことが確認されています。

メリット
  • 場所を取らない
  • 温度調整が簡単
  • 火を使わない
  • 臭くない(空気を汚さない)
  • 手軽につけられる
  • タイマーや遠隔操作ができる
  • 危険が少ない
  • 部屋がまんべんなく暖まる

エアコンでの暖房メリットは「簡単・安全・手間いらず」が大きいですね!

デメリット
  • 本体価格が高め
  • ラインナップが少ない
  • 雪対策用のオプション品が必要
  • 燃焼系暖房機ほど安定はしない
  • 室外機設置の場所を取るし、見た目も良くない

寒冷地向けのエアコンは本体が一般地向けと比較して高めで、雪対策用のオプションが必要になってくるため、初期費用はそれなりにかかってしまうのが悩みどころですね。

また雪対策のために置台や防雪フードを設置すると大きくなってしまい、場所を取るだけでなく見た目もあまり良くありません。

エアコンでの暖房は外気温度が低いほど消費電力が大きくなります。外気温度0℃以下では室外機はほぼ最大消費電力で運転するので、-0℃でも-15℃でも電気料金はそれほど変わりません(外気温度が低いと電気代はかわらないけど暖房能力は落ちます)

室温が設定温度に到達すれば暖房運転は停止しますので、断熱性能が良い住宅(暖房負荷が小さい)ほど電気代は安くなりますが、常にエアコンが運転している場合の電気代(最大料金)を想定しておくと安心でしょう。

1kWhあたり35円計算した場合

畳数1時間当たり電気代
6畳用エアコン69円
8畳用エアコン73円
10畳用エアコン107円
14畳用エアコン120円
18畳用エアコン125円

家庭によってはエアコンだけで、1日1000円以上の電気料金がかかるかもしれませんね。

冷房時の電気代

冷房時の電気代はかなり安くなります。寒冷地エアコンは熱交換器が大きく、熱交換効率が良いエアコンなので一般地用よりも安くなります。

畳数1時間当たり電気代
6畳用エアコン15円
8畳用エアコン18円
10畳用エアコン21円
14畳用エアコン36円
18畳用エアコン65円

実際はサーモオフしたり外気温度が低かったりで、電気代はもう少し安くなると思います。

積雪が多い地域では設置場所を気を付けないとエアコンが効かないだけではなく、壊れてしまう原因になるため、設置位置には十分注意をし必要な対策をしてください。

注意事項

  • 室外機が雪で埋もれる
  • 屋根からの落雪、つらら対策
  • 除雪車による室外機前面への堆雪
  • 日当たり
  • 季節風

室外機が雪で埋もれてしまったり、落雪や除雪車で吹出口や吸込口に雪で空気の流れが悪くなってしまってはエアコンが効きません。

日当たりの悪いところに設置すると、雪やドレン水の凍結が進みやすく、凍結した雪や氷で室外機を破損させてしまう恐れがあります。また、室外機の吹出口に季節風が当たると、吹出した風を室外機がまた吸ってしまい、ショートサーキットという現象を起こして、能力ダウンし、場合によっては運転を停止してしまいます。

対策方法

雪対策として、メーカーで準備しているオプションは、防雪フード・高置台・防雪屋根になります。

下の写真のようにならないように対策をしてください。

きちんと雪対策をすればエアコンで十分に暖房ができますよ。

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