エアコン視点で考える 高気密高断熱住宅向けのエアコンの選び方

高気密高断熱住宅を建築中、検討中の方で、エアコンの能力に悩んでいる方も多いように思います。

せっかく高気密高断熱住宅を建てるなら、エアコンの購入費や今後の電気代は抑えたいですよね。

今回はエアコン視点で、高気密高断熱住宅向けのエアコンの選び方について考えていきます。

自己紹介

管理人:おすけぞー

  • 建築設備機器の専門商社勤務(2007年~)
  • 2級管工事施工管理技士
  • 専門分野
    空調機器:ダイキン工業

ダイキン製品の販売からサービス、技術的な問い合わせに対応。

家庭用エアコン・業務用エアコン・エコキュート・セントラル空調製品までダイキン製品を取扱しています。

エアコン視点で解説していきます。

目次

エアコンの貫通穴は工務店やハウスメーカー側で事前に準備してもらいましょう!穴を開けるのは簡単ですが、断熱・気密を処理するのは後施工では性能が落ちてしまいます。

高気密高断熱住宅の貫通スリーブはC値にも影響してきます。

高気密高断熱住宅は熱負荷が少なく、エアコン1台でも十分に空調できるよう見えますが、全館空調システムではなく、壁掛エアコンで空調を考えているなら「無理」です。

理由は簡単で、各部屋の空気循環ができないからです。全館空調システムは天井裏や機械室に空調機を設置して、ダクトを通して各部屋の空調をしています。各部屋に空気を送りつつ、部屋の空気も回収して循環をさせることがでエアコン1台での空調を実現させています。

エアコンの能力の決め方は負荷計算が必要です。熱負荷は大きく分けて3つになります。

  • 通過熱負荷(外部からの熱)
  • 内部負荷
  • 外気負荷(換気や隙間風)

安全を見て、内部発熱負荷は不利になるように設定した方が安心です。

高気密高断熱住宅は屋外からの通過熱負荷を小さくした住宅ですが、内部負荷・外気負荷は通常の住宅と同じです。

各ハウスメーカーはUA値をPRしていますので、ご自宅のUA値を確認してください。

UA値とは、室内と外の温度差が1℃の場合、1㎡あたりの熱負荷で、値が小さいほど性能がいい住宅になります。

空調負荷はピンポイントでしか計算ができないため、夏・冬で条件を設定して最適なエアコンの能力を検討してみます。

夏の空調負荷

設定:16畳、UA値0.6外気温度38℃ 湿度75%、室内27℃ 50%、換気回数0.5回/hの場合

居室は正方形(1辺の壁長さは5.09m)、外気に接する壁面は2面、天井高さ2.5mとしています。

通過熱負荷+内部負荷+外気負荷

通過熱(Wh/㎡K)=UA値×外皮×温度差になります。

外皮とは外に面している外壁面積と床面積で考えますが、非空調の隣の部屋も熱負荷の原因となるので、考慮するべきです。

内部負荷は人・PC・ゲーム機・テレビ・照明・調理器具になります。

外気負荷は換気や隙間風による、室内空気と室外空気の温湿度差が空調負荷になってきます。

通過熱=(UA値×外気に面した壁面積×温度差)+(UA値×室内に面した壁面積×温度差)+(UA値×床面積×温度差)=(UA値0.6×25.5×11)+(UA値0.6×25.5×3)+(UA値0.6×25.9×11)=385W

内部発熱=(4人×120W)+機器500W=980W

外気負荷=0.33×外気量(㎥/h)×(室外空気の比エンタルピ ー 室内空気の比エンタルピ)=0.33×64.8×65.2=1,394W

通過熱+内部発熱+外気負荷=385W+980W+1,394W=2,759W

比エンタルピはインターネットで数字を入力すると計算してくれるサイトがあるので、そこで計算してくださいね!
おすすめは下記サイトです。温度と相対湿度だけ入力すればOKです!

比エンタルピ計算サイト1

比エンタルピ計算サイト2

冬の空調負荷

設定:16畳、UA値0.6外気温度2℃ 湿度50%、室内24℃ 50%、換気回数0.5回/hの場合

通過熱負荷+外気負荷内部負荷

通過熱=(UA値×外気に面した壁面積×温度差)+(UA値×室内に面した壁面積×温度差)+(UA値×床面積×温度差)=(UA値0.6×25.5×22)+(UA値0.6×25.5×10)+(UA値0.6×25.9×22)=831W

外気負荷=0.33×外気量(㎥/h)× 室内外温度差=0.33×64.8×22=470W

内部発熱=(1人×120W)+機器200W=320W

通過熱+外気負荷-内部発熱=831W + 470W – 320W=981W

夏は湿度が高いので、除湿するために空調能力が必要となりますが、冬は温度を上げるだけなので、外気負荷は夏より低くなります。

UA値0.6 16畳の居室は10畳用(2.8kW)のエアコンで空調が可能という計算になります。

参考までに内部発熱機器の負荷は以下の通りです。

家電製品は長時間運転させている物だけ考えれば問題ないです(電子レンジなどの家電は除外)

人・機器発熱量
90~150W
パソコン50~150W
PS5~350W
冷蔵庫100~250W
テレビ100W
照明10~50W
空気清浄機50W
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