エアコンクリーニングを依頼するときに、防カビ・抗菌コートも依頼したほうが良いのか悩みますよね?
防カビ・抗菌コートをすることで、エアコンがカビなくなるならエアコンクリーニングの頻度も少なくできるし、きれいな状態を継続できるなら、安くないオプション料金の防カビ・抗菌コートをするのもありかな?と悩む人は多いと思います。
エアコンクリーニングの防カビ・抗菌コートはほとんど効果はありません。
管理人:おすけぞー
- 建築設備機器の専門商社勤務(2007年~)
- 2級管工事施工管理技士
- 専門分野
空調機器:ダイキン工業
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防カビ・抗菌コートが効果がない理由
防カビ・抗菌コート剤にもいろいろな種類がありますが、きちんとした製品であれば防カビ・抗菌効果はあります。
エアコンクリーニングにおいて、防カビ・抗菌コートの効果がないという最大の理由は、施工方法が理由です。
防カビ・抗菌コートは本来、コーティングしたい部品を取り外し洗浄して、乾いた状態の部品を溶剤のプールに浸けて塗装、ハケで塗り残しのないように塗装、前後左右上下と全方向からスプレーできる状態で塗装します。塗装完了後は換気をしながら1日以上の時間をかけて乾燥させます。
エアコンクリーニング業者の防カビ・抗菌コートの施工方法は、高圧洗浄機でエアコンを洗浄した後の濡れた状態かつエアコンが組みあがった状態で、霧吹きで防カビ・抗菌コート剤を熱交換器に吹きかけるだけです。
それでは防カビ・抗菌コートは熱交換器の表面の一部分にしかコーティング剤が届かず、せっかく噴霧したコーティング剤も水滴と一緒に流れてしまうので効果がほとんどないのです。
エアコン本体が防カビ・抗菌対策済み
エアコンでカビやすいのは、目に見えるところでは吹出口と送風ファンで、目に見えないところではドレンパンもカビが発生やすいです。
カビや細菌はホコリに付着していて、エアコンの吹出口(樹脂)、ファン(樹脂)、熱交換器(アルミ)について増殖していきます。
販売されているエアコンの多くはカビ対策として、防カビ・抗菌が施された樹脂部品等が使用されています。
製品の中には、ホコリが付着しにくいように帯電防止樹脂を使用したり、熱交換器も結露水で洗浄できるような仕組みにしています。
それでも新品で購入して、定期的な清掃・内部乾燥などのカビ対策をしないと、冷房シーズンを終えたころにはカビだらけになってしまいます。
そもそも抗菌とは、製品の表面についた細菌の増殖を抑制することを言い、菌を殺したり除去したりする殺菌・除菌とは異なります。抗菌仕様でもホコリや油分などが付いてしまっては抗菌効果が発揮されず、いったんカビはじめてしまうと、立体的にカビでしまいます。
新品で使って1年後のエアコン内部
防カビ・抗菌対策をすればカビが発生しないわけではありません。
空気を循環させるエアコンにとって、防カビ・抗菌コートは無力に近いです。
それでもメーカーが防カビ・抗菌対策をするのは、少しでも長い期間、きれいな状態を保ちたいことと他社との差別化ですね。
防カビや抗菌対策していあるエアコンの方が欲しくなります。
防カビ・抗菌対策もホコリがついてしまうと効果がないので、日々のメンテナンスが大切です。
エアコンクリーニング業者が抗菌コートをすすめる理由
エアコンクリーニングの費用をなるべく安くして集客し、別途料金のコーティングで利益を出したいと考えている業者が多いです。
別途料金にしている業者は、エアコンクリーニング完了後に防カビ・抗菌コートを提案してくる業者がほとんどです。
防カビ・抗菌コートはエアコンクリーニング完了後に熱交換器に向けて霧吹きでコーティング剤を吹き付けるだけなので、作業時間2分で単価1,000円~5,000円にもなります。コーティング剤の効果や使用する薬剤の説明がなくても、せっかくきれいにしたエアコンだから少しでも「きれい」を維持をしたいと思う人が多いので、依頼する人は割と多くいます。
カビを防ぐには
- 内部乾燥機能を使う
- 吹出口の乾拭き
- フィルター清掃
カビはホコリと湿気があると発生しやすいため、冷房運転・除湿運転後は必ずエアコンの内部乾燥機能を使ってください。内部乾燥機能とは、冷房運転・除湿運転後に送風または暖房運転をして内部を乾燥させる機能です。
内部乾燥時は部屋の湿度があがるため、可能であれば窓を開けた方が良いです。エアコンではなく布団や他のものがカビやすくなってしまいます。外出などで窓を開けることが難しい場合、部屋の扉は開けておきましょう。
内部乾燥機能を使用することで、吹出口の結露も乾燥していますが、ホコリがついているとカビやすいため、乾拭きをすることをおすすめします。またフィルターも定期的に掃除をすることで、内部乾燥時の風量をきちんと確保することができます。
まとめ
エアコンクリーニングの防カビ・抗菌コートはほとんど効果はありません。
- 施工方法がよくない
- エアコン本体がそもそも防カビ・抗菌対策品でもカビてしまう
- ホコリは防げない=カビも防げない
- エアコンの内部乾燥機能を適切に使う
- 吹出口の乾拭き
- 定期的なフィルター清掃