価格が高いエアコンと安いエアコンがあり、同じ能力のエアコンでも2~3倍の価格差があることも。
高いエアコンの方が性能が良いのは何となくわかるけど、実際に何が違うのか分からない人も多いと思います。
- 省エネ性(電気代)
- 基本性能(過酷状況下での運転能力)
- 除湿機能
- 自動運転機能(センサー付きなど)
- 気流制御(風向調整機能)
- 自動フィルター清掃機能
- 清潔機能(防カビ・抗菌・空気清浄機能など)
- 生活便利機能(消し忘れ防止・音声応答など)
- 遠隔操作
高いエアコンの方が省エネで電気代が安く、いろいろな機能が付いているという事です。
具体的に何が違うのか?あまり変わらないのであれば安いエアコンで十分じゃないの?と考えている人も多いと思います。

管理人:おすけぞー
- 建築設備機器の専門商社勤務(2007年~)
- 2級管工事施工管理技士
- 専門分野
空調機器:ダイキン工業
ダイキン製品の販売からサービス・改装・技術的な問い合わせに対応。
家庭用エアコン・業務用エアコン・エコキュート・セントラル空調製品までダイキン製品を取扱しています。
ハイグレードモデルとスタンダードモデルの価格差
18畳用 ダイキンAXシリーズ(ハイグレードモデル)とEシリーズ(スタンダードモデル)
2025年1月19日時点
18畳用ハイグレードモデル | 18畳用スタンダードモデル | |
---|---|---|
価格 | 209,800円 | 119,800円 |
価格差は90,000円です。この90,000円にどんな機能が詰め込まれているのか気になりますね!
省エネ性能の差
18畳用ハイグレードモデル | 18畳用スタンダードモデル | |
---|---|---|
APF | 6.4 | 5.0 |
年間消費電力(kWh) | 1,655 | 2,118 |
年間電気代(1kWh=25円) | 41,375円 | 52,950円 |
本体価格差は90,000円なので、約8年でトータルコストは逆転します。

エアコン購入価格、電気料金、使用時間によっては回収できる年月が変わってきますが、ハイグレードモデルを購入しても電気代で回収できる可能性があります。
年間消費電力はカタログに書いてありますので、あとは契約電力会社の1kWhあたりの単価を掛けると、年間電気代の目安が分かります。
18畳用AXシリーズの消費電力


18畳用Eシリーズの消費電力


基本性能の違い
基本性能とは、過酷な環境下でもエアコンの能力が発揮できるかどうかです。
エアコンは外気と熱交換をして室内を空調しています。
夏は外が暑いと熱交換効率が悪くなり、冬は外が寒いと熱交換効率が悪くなります。外気温の条件が悪くてもエアコンの能力が出せるか?運転停止しないか?という話です。
18畳用AXシリーズの低温暖房能力


18畳用Eシリーズの低温暖房能力


安いエアコンは外気温度が低くなると、定格暖房能力が出せません。
除湿機能の違い



私は除湿機能については重要視しています!
除湿機能とは部屋の温度を下げずに除湿をしようとする機能です。
除湿をするには必ず温度下げないと除湿できませんが、除湿をする過程で下がってしまった空気がそのまま部屋に吹き出されると、部屋の温度が徐々に低くなっていきます。また除湿されたことにより体感温度も下がるため、温度低下以上に部屋の中が寒く感じるようになります。
安いエアコンは部屋の温度も下げてしまう除湿運転です。弱冷房除湿というのですが、やっていることは冷房運転とほとんど変わりません。
高いエアコンは再熱除湿方式といって、除湿するためにいったん冷やした空気を暖めなおす作業をしています。そうすることで、部屋の温度を下げずに除湿することができ、寒く感じにくい除湿ができます。


自動運転機能と気流制御
高いエアコンには人感センサー・床壁温度センサーが付いていて、人の位置・在不在を判断してON/OFFしたり、風向きを自動で調整したり、温度調整をする機能があります。
風向も壁に垂直、天井に垂直など人に風が当たりにくいように幅広い角度(上下左右)で調整することが可能です。


安いエアコンは吸い込み空気の温度センサーしか付いていないため、自動運転は吸い込み温度のみで運電モードを切り替えるくらいになります。
風向も上下のみで角度も狭いです。
清潔機能
一番わかりやすい機能は、フィルター自動お掃除機能です。
安いエアコンは自分でフィルターを外して洗浄する必要がありますが、高いエアコンは運転停止後に自動でフィルターを掃除してくれます。
他にも、高いモデルにはカビが付きにくいような防カビ加工、抗菌加工が様々な部品に施されています。



カビを防ぐのに一番重要なのは、冷房運転停止後の内部乾燥運転です。
内部が濡れたまま放置しては、どんなに優れた防カビ処理をしてもカビてしまいます。
ダイキンは空気清浄のストリーマは全てのモデルに搭載されていますが、パナソニックは安いモデルにはナノイーが搭載されていないし、三菱電機も価格帯によってレベルの違う機能が付いています。
生活便利機能・遠隔操作
高いエアコンには音声穏当機能、消し忘れ防止機能、部屋干しできるような乾燥機能、外からエアコンを操作できる遠隔操作機能が付いています。




安いエアコンには遠隔操作機能はなく、便利機能はほとんど付いていません。
まとめ
高い安いをエアコン本体の購入価格で分けてしまいましたが、電気代も考慮すると逆転してしまうこともあります。
本当の意味でエアコンにかかる費用を抑えたいなら、電気代も考えてトータル的に考えるのもありだと思います。



実際に使用してどれくらいの節電になったか目に見えるようには分からないので、初期投資に悩みますけどね…。