10年以上前のエアコンを最新のエアコンに買い替えたら電気代が安くなって、電気代の差額(数年分)で最新のエアコンが買えないかな?って考えたことがある人もいるかと思います。
私はエアコン販売のプロですが、既設エアコン(古いエアコン)と最新エアコンの電気代の差額を頻繁に計算します。
お客様にエアコンを買い替えてもらうには、電気代の差が1番響くんですよね!
10年前のエアコンを最新の同等モデルのエアコンに買い替えても電気代はあまり変わりません!
ハイグレードモデルをスタンダードモデルに買い替えると電気代は上がります!

電気代の削減が可能なのは、省エネ性能が低いスタンダードモデルのエアコンから最新の省エネエアコンに買い替える場合です。


管理人:おすけぞー
- 建築設備機器の専門商社勤務(2007年~)
- 2級管工事施工管理技士
- 専門分野
空調機器:ダイキン工業
ダイキン製品の販売からサービス・改装・技術的な問い合わせに対応。
家庭用エアコン・業務用エアコン・エコキュート・セントラル空調製品までダイキン製品を取扱しています。
10年前のエアコンと最新エアコンの電気代比較


2024年モデルと2014年モデルの電気代を比較します。
今回比較するのは、ダイキンのハイグレードモデル「うるさらRXシリーズ」とスタンダードモデル「Eシリーズ」の2モデル、エアコンの能力は14畳用で比較します。
同じ環境で運転した場合の電気代を比較するため、カタログに記載してある年間消費電力量を利用して計算します。
うるさらRXシリーズ比較
14畳用 | 消費電力量 | 年間電気代 |
---|---|---|
2014年モデル | 1,097kWh | 27,425円 |
2024年モデル | 1,066kWh | 26,650円 |
10年の差 | 31kWh | 775円 |
※1kWhあたり25円で計算



1年間の差額が775円で、約10カ月エアコンを使用した計算なので、月80円程度の差しかありません。
Eシリーズ比較
14畳用 | 消費電力量 | 年間電気代 |
---|---|---|
2014年モデル | 1,544kWh | 38,600円 |
2024年モデル | 1,544kWh | 38,600円 |
10年の差 | 0kWh | 0円 |
※1kWhあたり25円で計算



Eシリーズは10年前と変わらないのは驚きですね!
同シリーズで比較すると差額はほとんどありませんが、10年前のEシリーズから最新のRXシリーズに買い替えると、電気代の差額が出ます。
10年前Eシリーズ1,544kWh ー 最新RXシリーズ1,066kWh = 478kWh(11,950円)
逆にハイグレードモデル(RXシリーズ)から最新のスタンダードモデル(Eシリーズ)に買い替えると、電気代は上がってしまいます。
10年前RXシリーズ1,097kWh ー 最新Eシリーズ1,544kWh = -447kWh(11,175円電気代アップ)
15年前のエアコンとの比較
2024年モデルと2009年モデルの電気代を比較します。
うるさらRXシリーズ比較
14畳用 | 消費電力量 | 年間電気代 |
---|---|---|
2009年モデル | 1,336kWh | 33,400円 |
2024年モデル | 1,066kWh | 26,650円 |
15年の差 | 270kWh | 6,750円 |
※1kWhあたり25円で計算
年間の差額は6,750円、月々で約700円前後です。
E(N)シリーズ比較
2009年はEシリーズではなく、Nシリーズになります。
14畳用 | 消費電力量 | 年間電気代 |
---|---|---|
2009年モデル | 1,705kWh | 42,625円 |
2024年モデル | 1,544kWh | 38,600円 |
15年の差 | 161kWh | 4,025円 |
※1kWhあたり25円で計算
年間の差額は約4,000円、月々で約400円です。
同シリーズで比較すると差額はほとんどありませんが、15年前のNシリーズから最新のRXシリーズに買い替えると、電気代の差額が出ます。
15年前Eシリーズ1,705kWh ー 最新RXシリーズ1,066kWh = 639kWh(15,975円)
逆に15年前のハイグレードモデルから最新のスタンダードモデルに買い替えても電気代は上がってしまいます。15年前であれば経年劣化もあるので、同等くらいにはなると思いますが、電気代が安くなることはないでしょう。
15年前RXシリーズ1,336kWh ー 最新Eシリーズ1,544kWh = -208kWh(5,200円電気代アップ)
20年前のエアコンとの比較
2024年モデルと2004年モデルの電気代を比較します。
うるさらRXシリーズ比較
14畳用 | 消費電力量 | 年間電気代 |
---|---|---|
2004年モデル | 1,516kWh | 37,900円 |
2024年モデル | 1,066kWh | 26,650円 |
20年の差 | 450kWh | 11,250円 |
※1kWhあたり25円で計算
年間の差額は約11,000円、月々で約1,100円です。
E(D)シリーズ比較
2004年はEシリーズではなく、Dシリーズになります。
14畳用 | 消費電力量 | 年間電気代 |
---|---|---|
2004年モデル | 1,907kWh | 47,675円 |
2024年モデル | 1,544kWh | 38,600円 |
15年の差 | 161kWh | 9,075円 |
※1kWhあたり25円で計算
年間の差額は約9,000円、月々で約900円です。
同シリーズで比較すると差額はほとんどありませんが、20年前のDシリーズから最新のRXシリーズに買い替えると、電気代の差額が出ます。
20年前Dシリーズ1,907kWh ー 最新RXシリーズ1,066kWh = 841Wh(21,025円)
20年前のハイグレードモデルから最新のスタンダードモデルに買い替えての場合、計算上はほぼ同じ電気代になります。20年前であれば相当な経年劣化もあるので、電気代は安くなるでしょうが、実感できるほどではないと思います。
20年前RXシリーズ1,516kWh ー 最新Eシリーズ1,544kWh = -28kWh(700円電気代アップ)
電気代に差がでない理由


エアコンの消費電力の7割は圧縮機によるものですが、大きな技術革新がないと大幅な省エネ性の向上は見込めないところまできています。
エアコンは毎年モデルチェンジをしていますが、実は中身の部品はほとんど変わっていないことが多いです。
14畳用RXシリーズの圧縮機
モデル | 圧縮機部品番号 |
---|---|
2024年モデル | 2428495 |
2023年モデル | 2428495 |
2022年モデル | 2428495 |
2021年モデル | 2428495 |
2020年モデル | 2428495 |
2019年モデル | 2428495 |
2018年モデル | 2301259 |
2017年モデル | 2301259 |
2016年モデル | 2301259 |
2015年モデル | 2202910 |
2014年モデル | 2202910 |
2013年モデル | 2143554 |
2012年モデル | 2089124 |
2011年モデル | 1963793 |
2010年モデル | 1963793 |
2009年モデル | 1916805 |
2008年モデル | 1847310 |
2007年モデル | 1700187 |
2006年モデル | 1674442 |
2005年モデル | 1482179 |
2004年モデル | 1482179 |
2014年モデルから2024年モデルまでの間で、圧縮機は2回しかモデルチェンジしていません。
2回のモデルチェンジがあって、電気代にすると年間約775円の差額です。
消費電力は大きく変わっていなくても、除湿機能の向上・厳しい環境でも動くタフネスな圧縮機になるなど、改善はあったと思いますが、電気代のみに焦点を当てると、10年前のモデルと比較してもあまり節電にはなりません。



毎年モデルチェンジしているのに2019年以降、圧縮機は6年も変わっていないんですね!



10年前のエアコンも省エネ性能が高いんです。
買い替えで電気代が安くなる場合


スタンダードモデルからハイグレードモデルに買い替えることで大幅な電気代削減につながります。
6畳など小さなエアコンではなくて、リビング用の大きなエアコンを買い替えることで、より電気代の削減になります。
逆に自宅のエアコンがハイグレードモデルで、買い替えを検討しているのが個室などの小さい部屋であれば、最新モデルのハイグレードモデルに買い替えてもそれほど電気代は安くなりません。古いハイグレードモデルを最新のスタンダードモデルに買い替えると電気代が上がってしまいます。
AIなどの機能で省エネにならないの?
AI機能は使い方次第では省エネになり、電気代の削減につながります。
例えば…短時間の外出であればエアコンはつけっぱなしの方が省エネになるというのは、多くの人が知っていると思います。AI機能があれば不在時は自動で設定温度を変更してくれる機能があるので、無駄を減らして電気代を安くすることができます。
冬であれば上部に溜まった暖気を下ろすように風向を自動調整したり、人がいるところを重点的に暖めることで設定温度を下げることで省エネにつなげることができます。



AI機能は設定に少し手間がかかりますが、上手に利用することで電気代の削減につながります。

