エアコンのフィルターを掃除するのって面倒ですよね。実際、エアコン用フィルターの掃除をあまりしていない人も多いのではないでしょうか?
エアコンメーカーは取扱説明書にフィルター掃除の頻度について記載しています。
各メーカーが推奨するフィルター掃除の目安は2週間に1回です。

2週間に1回掃除できていますか?
きちんと掃除ができている人は継続してもらった方が良いですが、フィルター掃除をサボってしまう人も最低限やってもらいたい掃除頻度があります。
冷暖房のシーズン前、シーズン中に各1回掃除 4回/年のフィルター掃除をしてください。
- エアコンのフィルターを掃除しないとどうなる解説
- フィルター掃除をサボり気味の人におすすめる掃除頻度
- やってはいけない掃除方法
- お掃除機能付きエアコンのフィルター掃除頻度


管理人:おすけぞー
- 建築設備機器の専門商社勤務(2007年~)
- 2級管工事施工管理技士
- 専門分野
空調機器:ダイキン工業
ダイキン製品の販売からサービス・改装・技術的な問い合わせに対応。
家庭用エアコン・業務用エアコン・エコキュート・セントラル空調製品までダイキン製品を取扱しています。
みんなのフィルター掃除頻度は?



他の人がどのくらいフィルターを掃除しているか気になりませんか?
200人にクラウドワークスを使ってアンケートを取った結果です。お掃除機能付きのエアコンは対象外です。
メーカー推奨頻度は2週間に1回ですが、メーカー推奨頻度でフィルターの掃除をしている人は10%未満です。
半数以上の人は半年に1回の掃除しかしていません。


エアコンにとって1番ベストな状態はフィルターが新品の状態(汚れがまったくない)です。
フィルター掃除の理想は毎日ですが、性能低下がほとんどない状態で掃除をするのは負担になるし、頻繁に掃除をするとフィルターも痛んでしまいます。
使用頻度や環境によってフィルターの汚れ具合は変わってきますが、メーカーが推奨する2週間に1回は、使用時間が長かったり、ペットやタバコなど室内の空気環境が悪くても故障につながりにくい期間を目安にしています。



メーカーは安全をみて掃除の目安を決めています。
エアコン用フィルターを掃除しないとどうなる?


フィルターの掃除をしないと最悪の場合、エアコンが壊れます。
現在のエアコンは、エアコンが壊れる前に機械を守るための制御が働き、運転しなくなります。
一般ユーザーからしたらエアコンが動かなくなった(すぐに止まってしまう)というのは、故障と同じ意味にもなります。



フィルターが汚れているとエアコンが動かなくなるということを知っている人は少ないです。
フィルターだけではなく、熱交換器が汚れていても同じですが、熱交換器が汚れてしまった場合はプロのエアコンクリーニングが必要になります。
フィルターを掃除しないとエアコンが止まる理由
エアコンは、エアコンが吸い込む室内の空気温度(室温)で制御しています。
フィルターの掃除をしないとエアコンが止まってしまう理由を簡単に説明すると下記の流れになります。
冷房運転の場合
室温を下げるために冷たい冷媒をたくさん送ります。
流した冷媒と熱交換できる空気中の熱量が少なすぎる
頑張って冷媒を流すが、熱交換ができなかった冷媒が室外機に戻っていくことを繰り返す
熱交換器で結露する水分が凍結して、熱交換器を破損させてしまうのでエアコン停止
暖房運転の場合
室温を上げるために暖かい冷媒をたくさん送ります。
空気量が少なく、冷媒の熱を空気中に放出できる量が少なすぎる(冷媒が熱を持ったまま返る)
頑張って冷媒を流すが、熱交換ができない状態を繰り返す
冷媒温度が高くなりすぎて異常と判断して停止
冷房も暖房も空気と熱交換ができないことで異常停止します。



マスクをしながら走るのをイメージすると分かりやすいでしょうか?
全速で走らないといけないのに、マスクをしていて十分な酸素を取り込めず苦しくて、止まってしまうイメージです。
仕事でもエアコンが止まったという理由で点検に行き、フィルターの目詰まりが原因ということがあります。
フィルター掃除が面倒な人におすすめの頻度
1年に1回、きちんとフィルターの掃除をしていれば、エアコンが停止してしまうようなことにはなりにくいと思います。ただフィルターの掃除頻度が少ないと電気代が余計にかかってしまうし、エアコンの寿命を縮めてしまう可能性もあります。
フィルターの掃除が面倒で後回しにしてしまう人、気がついたときに不定期で掃除をするという人は結構いると思いますが、そんな人におすすめなのは3カ月に1回の掃除です。
おすすめは4月、7月、10月、1月に掃除をすることです。
冷暖房のシーズン前、シーズン中に各1回掃除 4回/年のフィルター掃除をおすすめします。



年4回程度の掃除をしていて、フィルター目詰まりによってエアコンが運転停止してしまった人は今まで経験がありません。
やってはいけないフィルター掃除方法
- 40℃以上のお湯(冬場のシャワー程度はOK)
- みがき粉
- タワシなどの硬いもの
- 消臭剤などのスプレー
- 有機溶剤
- 高圧洗浄機
変形・変色・傷の原因になるようなものを使用して掃除をしないでください!ということですが、やってしまう人が多いのは高圧洗浄機での洗浄です。
とくに年末の大掃除時期に家のフィルター類をすべて取り外して、庭に並べて高圧洗浄機で掃除する人がたまにいます。高圧洗浄機の圧力が弱いモードなら大丈夫だと思うかもしれませんが、破れてしまったり、網目が広がってしまったり(変形)します。



高圧洗浄機で洗った経験がある人もいるかもしれませんが、数回はよくても何度も掃除をするとフィルターが痛んでしまいます。
正しいフィルターの掃除方法
フィルターの正しい掃除方法は、掃除機でホコリを吸い取ってから水洗いです。
まずはフィルターの表面から掃除機でホコリを吸い取り、中性洗剤を溶かしたぬるま湯に裏面から沈めてつけて洗浄です。
中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗うことで、食事の油汚れやタバコのヤニの汚れが落ちます。
水洗いをしたらタオルなどで水けを取って陰干しします。
お掃除機能付きエアコンのフィルター掃除頻度
フィルター自動掃除機能付きのエアコンを使っていれば、フィルターの掃除は不要だと思っている人が多いと思いますが、実際には1年に1回は掃除をすることをメーカーは推奨しています。
フィルター自動掃除機能は運転時間に応じてエアコンの運転停止時に自動でフィルター掃除をしてくれるので、フィルターの目詰まりで運転が停止する可能性は低いですし、省エネにも貢献してくれますが、万能ではありません。
フィルター自動掃除機能付きのエアコンは構造が複雑になり、フィルターはきれいでもダストボックス周りはホコリが多くなります。



フィルターを掃除するよりダストボックスを掃除するのが面倒です。
お掃除機能付きのエアコンだからといって、エアコン内部の確認をしないのはおすすめしません。
1年に1回の掃除はしなくても、定期的に内部を確認して必要であれば掃除をすることをおすすめします。