オイルヒーターもオイルレスヒーターも「乾燥しにくい・温風がでない・静か・メンテナンス不要」などで人気のある商品です。
オイルヒーターは名前の通りオイルを暖め、オイルレスヒーターも名前の通りオイルは使用せず機器内部のアルミなどを加熱して空気を暖めて暖房をしています。オイルレスヒーターは「ノンオイルヒーター」「オイルフリーヒーター」とも呼ばれています。
結局…何が違うのかよくわかりませんよね。
本記事ではオイルヒーター・オイルレスヒーターの違いを比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

管理人:おすけぞー
- 建築設備機器の専門商社勤務(2007年~)
- 2級管工事施工管理技士
- 専門分野
空調機器:ダイキン工業
ダイキン製品の販売からサービス・改装・技術的な問い合わせに対応。
家庭用エアコン・業務用エアコン・エコキュート・セントラル空調製品までダイキン製品を取扱しています。
オイルレスヒーターとは
オイルレスヒーターは名前の通りオイルを使わない暖房器具で、機器内部のアルミなどをヒーターで加熱して、取り込んだ空気を直接暖めるヒーターです。
オイルレスヒーターは輻射熱を利用して暖める仕組みのため、暖かさがじんわりと部屋中にムラなく広がっていくのが特徴です。
エアコンと比較して「乾燥しにくい」という理由で、注目されている暖房機器です。
オイルヒーターとオイルレスヒーターの違い

オイルレスヒーターは「運転音がしない」「風が出ない」「空気を汚さない」「乾燥しにくい」というオイルヒーターの優れているところはそのままに、弱点を改善した暖房機器です。
オイルヒーターの弱点
- 暖まるのが遅い
- 温度調整が苦手(反応が遅い)
- 電気代が高い
暖まる速度の違い
オイルレスヒーターはアルミなど熱伝導性のいい金属に、通電すると熱が発生するヒーター管を取り付けることでアルミを暖めて暖房しています。
アルミはオイルよりも早く暖まるので、オイルレスヒーターはオイルヒーターより部屋を暖める速度が速いのが特徴です。

引用:コロナ
アルミの構造を複雑にし空気との接触面積を増やすことで、効率よく空気を暖めることができるように設計されています。

エアコンの熱交換器と考え方は同じですね!エアコンはヒーター管ではなく、冷媒が流れる銅管になっています。
室温調整機能
オイルヒーターはオイルを暖めるのに時間がかかるため速暖性が悪いだけではなく、逆にいったん上がったオイルの温度は簡単には下がらないことから温度調整が苦手でした。
オイルレスヒーターはアルミとヒーター管を1つのモジュールとして、組み合わせて作られています。室温が上がってきたらモジュール毎にON/OFFさせることで、高精度な温度コントロールが可能です。


引用:デロンギ



製品によってモジュールの数や制御方法は異なります。
高価な製品ほどモジュール数が多く、細かい制御が可能です。
電気代の違い


オイルヒーターは部屋を暖める速度が遅いため、事前にオイルヒーターの電源を入れている人も多かったと思います。
オイルヒーターを就寝1時間前にONにしていた人であれば、オイルレスヒーターであれば就寝30分前にONすれば同じくらいの温度になっているので、30分の電気代削減になります。
オイルレスヒーターは温度設定によって自動でモジュール毎にON/OFFすることで、暖めすぎることを少なくすることができるので電気代も安くなります。
オイルヒーターよりは電気代が安くなる傾向ですが、暖房器具としては電気代のかかる製品ということは変わりません。
表面温度の違い
オイルヒーターは場合によっては80℃~100℃近くと高温になるが、オイルレスヒーターの表面温度は約60℃前後です。
そのため、オイルレスヒーターはやけどのリスクが低い製品と言えるでしょう。
ただしオイルレスヒーターも上部はオイルヒーター同様に高温になるので注意が必要です。
重量の違い
同能力の「オイルヒーター」と「オイルレスヒーター」を比較した場合、オイルレスヒーターの方が2割~3割程度軽いです。
軽いと言ってもオイルレスヒーターは10kg前後の重量があるので、階を移動させるのは大変ですが、同フロアの横移動であればキャスター付きの製品がほとんどなので、簡単に移動させることができます。
比較したときのメリット・デメリット


オイルレスヒーターの方が優れている点
- 速暖性能
- 温度コントロール
- 電気代
- 重量
オイルヒーターの方が優れている点
- 製品価格



同メーカーの製品で比較した場合です。
おすすめオイルレスヒーター3選
1. ノイルヒート


画像引用:CORONA
おすすめポイント
ノイルヒートは日本メーカー製品(Made in 新潟)
コロナは各種ヒーターを製造し、エアコンのメーカーとしても知られていて、コロナが2019年に販売を開始したのが、オイルレスヒーターである「ノイルヒート」です。
■速暖のために考えられた構造


エアコンを製造しているメーカーなのか、アルミの構造がエアコンにそっくりです。表面積が大きいほど空気を暖める能力が高くなり、速暖性能に優れた構造になっています。
■安全・安心設計


側面の温度は60℃前後とやけどの心配が少ない温度になります。
ただ、上部は90℃くらいの温度になるので注意が必要です。
■簡単操作


温度設定・リモコン操作は取扱説明書なしでも感覚でわかるほどシンプル。
プログラムタイマーもランプがついてる時間帯がONと視覚的にもわかりやすいく、リモコンでも操作可能



日本メーカー・日本国内製造のオイルレスヒーター。
価格はオイルレスヒーターの中では高価な部類に入ります。
2. ケノンヒーター


おすすめポイント
ケノンヒーターはエムテックという日本メーカーが日本国内で製造しています。
どのメーカーにもない、特許取得システムのトリプル暖流「遠赤外線+輻射+自然対流」です。


機器の近くにいると他のオイルレスヒーターよりも暖かいのが特徴です。オイルヒーターもオイルレスヒーターも、輻射熱と自然対流で部屋を暖めていますが、ケノンヒーターは遠赤外線で人を直接暖めることもできる点がポイントです。
輻射熱は赤外線を放射して物体を暖める仕組みなので、オイルヒーターもオイルレスヒーターも遠赤外線は放射しています。遠赤外線は材質によって放射される割合が違います。ケノンヒーターは遠赤外線の放射割合が大きいガラスセラミックなので、より暖かく感じやすい製品です。
赤ちゃんの授乳時期は遠赤外線はありがたいと思います。
寒いキッチンでミルクを作って冷やすのに5分以上かかるので、その間に体を冷やしてしまいますが、ミルクをあげているときに遠赤外線で暖まることができるのは非常に良いと思います。
賛否両論ポイント
操作方法がシンプル!とにかくシンプル!
オイルレスヒーターではありますが、温度設定機能がなく弱・中・強の3段階設定(左右のパネルで設定できるので9パターン)のみになります。
OFFタイマーはあるけど、入りタイマーはなくスケジュール機能などもありません。



操作方法は非常に簡単ですが、入りタイマーは欲しかったという口コミはたまに見かけます。
大人が寝るためだけの部屋であれば、少しもったいないかもしれません。
3. マルチダイナミックヒーター Wi-Fiモデル


おすすめポイント
マルチダイナミックヒーター Wi-Fiモデルは、オイルヒーターでも有名なイタリアのメーカーであるデロンギの製品になります。
おすすめポイントは圧倒的な機能です。
高精度な温度制御、その高度な温度制御を利用した睡眠サポート機能、アプリを使った遠隔操作、GPS機能を使った自動操作(自動ON,消し忘れ防止)など、高グレードのエアコンが搭載している機能が付いています。





私には高機能すぎて使いこなせませんが、利便性を追求したい、高機能製品でいろいろと試したい人にはおすすめです。