サーバー室にルームエアコンはNG!エアコン選定について解説

本記事は約4畳(6.5㎡)~20畳(32㎡)程度の小型サーバー室について書いていきます。

サーバーからは熱が発生するため、エアコンが必要というのはよく知られていますが、部屋を冷やすだけなら家庭用のルームエアコンを設置しておけば問題ないよね?と安易に考えてはいけません。

エアコンは高額ですが、大事なデータを守るためには対策が必要です。

私の専門がダイキン製品のため、解説するエアコンはダイキンになります。

自己紹介

管理人:おすけぞー

  • 建築設備機器の専門商社勤務(2007年~)
  • 2級管工事施工管理技士
  • 専門分野
    空調機器:ダイキン工業
    衛生機器:TOTO/LIXIL

空調機器・衛生機器の販売からサービス、技術的な問い合わせに対応

目次

店舗や事務所の比較的小さいサーバー室であれば、ダイキンのスカイエアがおすすめです。

スカイエアは店舗や事務所向けの業務用エアコンになります。

サーバー室専用のエアコンではありませんが、高顕熱対応(簡易サーバー)モードがあるため、いろいろな施設でサーバー室や機械室用のエアコンとして使用されています。

高顕熱対応モードにするには、リモコンで設定を変更する必要があります。一般には公開されていないサービスモードに入って設定をする必要があるので、何も知らない工事業者だと設定を忘れてしまう恐れがあります。

必ず使用用途は説明して、高顕熱対応モードに設定してもらいましょう。

病院・学校のサーバー室、ビルのMDF室(電話回線や光回線の設備)、エレベーター機械室など、重要設備に使用されています。
私の勤務先のサーバー室もダイキンのスカイエアを使用しています。

スカイエアは業務用エアコンとして本当によく売れている製品なので、納期・価格面だけでなく、施工性にも優れています。万が一の故障の際も修理できるサービスマンが多いので、早急な対応が可能です。

■サーバー室のエアコン選定手順

STEP
部屋の熱負荷を計算する

外部から侵入する熱負荷 + サーバーから発生する熱負荷

(サーバー発熱量=消費電力)

STEP
バックアップ用を設置するか検討

故障に備えて複数台設置を検討

STEP
エアコンの設置場所を決める

サーバーの上にエアコンは設置しないようにする。

水漏れのときにサーバーに水がかかって壊れるのを防ぎます。

風が直接当たらないようにする(結露防止)

一般家庭では部屋の大きさを目安にエアコンの能力を決めますが、サーバー室は機械発熱を考慮する必要があります。
サーバーの発熱量は想像以上にあるので注意してください。

サーバーからの発熱で室温が上がれば、冷房運転で冷やし続けられると思う人がほとんどだと思います。

私たちに身近なルームエアコンは、人がいる空間を対象にしています。人は呼吸や汗をかきますが、機械はそうではありません。エアコンが継続運転するには湿度が非常に重要になってきます。

エアコンは熱交換器に冷たい冷媒を流して、そこに風を当てることで空気中から熱を奪いますが、同時に空気中の水分を気体から液体にするという状態変化も起こします。サーバー室のような無人の空間では、冷房によりどんどん除湿されてしまい、空気がカラカラになっていきます。

湿度が低いと体感温度が下がるので、サーバー室に入ると設定温度のわりに寒いですよね。

エアコンは空気の温度を下げる熱(顕熱)だけではなく、空気中の水分を気体から液体に変化させる熱(潜熱)も考慮して設計されています。サーバーからは発熱する一方で、空気中の水分が減っていくと熱のバランスが取れずに、エアコンが停止してしまいます。

エアコンには使用限界(空気条件)があります。

ダイキンのスカイエアもエアコンだから、空気条件がありそうだけど大丈夫なの?

ダイキンのスカイエアにも使用限界(空気条件)はもちろんあるよ!
空気中の水分が少なくなることが原因なら、除湿されにくいようにすればいいよね。
それが高顕熱対応モードという機能なんだ!

ここから先は、少し難しくなります。

上の写真は冷房時の冷凍サイクルです。エアコンは冷たい液体の冷媒が蒸発する際に必要な潜熱を利用して、室内の熱を奪っています。常温で蒸発するように制御されています。

温度には「乾球温度 ℃(DB)」と「湿球温度 ℃(WB)」の2種類の温度があり、乾球温度は天気予報で伝えられたり、リモコンの設定温度のことで、一般的に温度と言ったら乾球温度になります。

湿球温度は温度計の球を湿った布で包んで測った温度です。布の湿りは常に蒸発して、蒸発に必要な潜熱を奪うことで、湿球温度は乾球温度より低い温度になります。周りの湿度が100%であれば蒸発しないので乾球温度と同じになり、湿度が低ければ低いほど布の水分は蒸発しやすくなり、湿球温度は下がります。

冷房運転は必ず除湿され、湿度が低くなればなるほど冷房に必要な能力も減っていきます。ですが、エアコンには最低能力があり、必要以上に冷房能力が出てしまいます。ゆっくり歩きのスピードで自転車に乗ることが難しいのと同じで、一定以上のスピード(能力)が必要になってきます。

そうなると、サーバー室から熱を奪って蒸発するはずの冷媒が液体のまま返ってきます。圧縮機に液冷媒が入ると壊れてしまうため、その手前に液体の冷媒を受液器で回収します。すると配管内の冷媒量がどんどん減っていき、配管内の圧力が下がってしまいます。圧力が下がると温度が下がります(富士山の頂上が寒いのと同じ)

室内機の熱交換器に流れる液冷媒の温度がマイナス温度になると、室内の水分が結露してそのまま凍結し、雪だるま式に着霜してエアコンが壊れてしまいます。それを防ぐために凍結防止制御が働き、エアコンを強制的に停止させます。

スカイエアの使用限界

サーバー室の温度設定を25℃にした場合、相対湿度27%が湿球温度14℃WBになります。相対湿度が27%を下回ると機械保護のためエアコンが停止する可能性が出てきます。

エアコンでサーバー室を空調する場合、いかに除湿量を減らすか?が課題になります。

高顕熱モードは室内機に流れる冷媒の温度を高く(20℃~30℃に)して、除湿されにくいようにします。

室内機の風量を急風(強風)にすることで、空気が熱交換器を通過する速度を早くすることで結露する水分量を減らします。

サーバー室に加湿器を置けばルームエアコンでも大丈夫なの?

理論上は加湿器を置けば大丈夫です。
実際にデータセンターに設置するような大型のエアコンには加湿器が組み込まれています。
ルームエアコンにして加湿器を設置し、加湿器を管理する手間を考えたら、ダイキンのスカイエアを設置したほうが経済的だけどね。

余談

ビル用マルチ、スカイエアはタイプによっては室内機に加湿器を組み込みできるものもあります。
室内機にオプションの加湿器を取り付けても、暖房運転時しか加湿器用の給水電磁弁が開きませんので、無意味ですので注意してください。



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